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Ray

Ray001.jpgレイ・チャールズの伝記映画。
デキは悪くない。映像も綺麗で、オープニングのサングラスに映る鍵盤のシーンとか、なかなかカッコイイ。丁寧に真面目に作ってあって、一度見ておいても損はない映画だとは思うが…

レイ・チャールズが麻薬中毒になり、後年立ち直った経緯を、幼い頃のトラウマとの関係で描いているけれども、それは嘘だろう。嘘というのが言い過ぎならば、映画づくりのためにあえて付け加えた虚構だと思う(同じことか)。

たぶん、そうでもしないと、主人公の人生が淡々としすぎて、観客が面白がらないと思ったのだろう。レイの音楽家としての栄達を描きながら、ときおり幼い頃の母親との交流のシーンとか、失明のシーンとかをカットバックで織り交ぜ、映像に変化をつけ、そうやってレイ・チャールズの全生涯を表そうと思ったのだろう。栄達とともに次第に麻薬の泥沼に入っていく姿を。

過去のシーンはたしかに印象的で、とくに母親アレサ・ロビンソンを演じたシャロン・ローレンの存在感はすばらしく、貧しさと過労で痩せ細った彼女が、度重なる不幸に襲われながらも(次男の死、レイの失明)、野生的な強靱さと深い愛情で主人公を育てていく姿は感動的である。

しかし、カットバックでレイの人生を描き、エンディングとして麻薬中毒克服の場面(同時に永年のトラウマが解消される)を持ってくるために、わざわざ精神分析のまねごとみたいなことをやる必要はなかったのではないか。余計なものをくっつけたことによって、なんだか映画が安っぽくなってしまった。あ~あ。せっかく頑張ったのに。

主人公の苦悩の隠された原因は子どもの頃のひどい経験だった、一生涯にわたる彷徨の原因がこれでした、なんてストーリーが許されるのは、第二次世界大戦直後の作品ぐらいまででしょう。21世紀になった今頃でもまだやっているなんて、いくら精神分析が盛んなアメリカといったって、あるいはアメリカだからこそ、作ってはだめでしょう。子どもの頃になんでも原因を持って行くやり方は、すべての出来事はじつは夢でしたという夢オチ同様、禁じ手じゃないかなと思う。この映画、そこらへんのあちらの評価はどうだったんでしょう。

というわけで、一度目はそれでも結構面白かったけど、二度目は退屈しました。

レイ・チャールズに対するリスペクトも感じられるし、突き放した視点もあるし、真面目に丁寧に作っているけれども、結論としては、この映画、失敗ではないかと思う。
実在の人物の人生を描くのに、勝手な解釈をくっつけて自分の作りやすいように作ってしまうという姿勢がそもそもダメなんだと思う。

素材は最高だし、部屋も食器もワインも高価で上等なのものを選んでいるんだけれども、料理法があまりに凡庸なのでした。

Ray2-1.jpg


原題 RAY
DVDはこちら
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by ネタバレ映画館 on 2007/05/10 at 23:37:56

 鑑賞中、ジェイミー・フォックスが演じていることなどスッカリ忘れてしまっていた。途中で彼が演じているんだと気づいた時には、あまりにそっくりなので背筋がぞくぞくしたほどだった。

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コメント