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A Short History of the World

H.G.Wells
Penguin Books
p363


This Short History of the World is meant to be read straighforwardly almost as a novel is read.

「この世界史概論は、小説を読むときのように一気に読んでもらおうと思って書いた。」と作者は序文で言っていますが、そういう注文がなくても、この本は読み始めたらとまらない。英語の知識が不十分なのでスイスイいかないの残念だけれども、日本語だったら読みおわるまで寝れないのではないだろうか。高校生の頃にこの本に出遭っていたら、世界史がもっと良くわかってもっと好きになっていただろうなあ、そう思わせてくれる本でした。

地球の誕生からはじまり、1963年の部分的核実験禁止条約で終わる全71章の本書の圧巻は第63章。現代史に入り、ついに日本が登場。

時代は帝国主義全盛期。イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、ロシア、アメリカといった列強が中国を勝手放題に分割していた時代。

European Aggression in Asia and the Rise of Japan

But now a new Power appeared in the struggle of the Great Powers, Japan.…With astonishing energy and intelligence they set themselves to bring their culture and organization to the level of the European powers. Never in all the history of mankind did a nation make such a stride as Japan then did. In 1866 she was a medieval people, a fantastic caricature of the extremest romantic feudalism; in 1899 hers was a completely Westernised people, on the level with the most advanced European powers. She completely dispelled the persuasion that Asia was in some irrevocable way hopelessly behind Europe. She made all European progress seem sluggish by comparison.(p292-294)

(試訳)ヨーロッパのアジア侵略と日本の勃興

しかし大国同士の争いの中に、新しい勢力が登場した。日本である。
…驚くべきエネルギーと知力によって彼らはその文化と組織をヨーロッパのレベルにまで引き上げた。人類の歴史で、日本がその時になし遂げたほど長足の進歩を遂げた国はどこにもない。1866年、日本は中世だった。王様と騎士によるロマンチックな封建主義の幻想的なカリカチュアだった。1899年、日本人は完全にヨーロッパ化していた。そのレベルは最も進んだヨーロッパの国々と同じだった。日本は、アジアは絶望的にヨーロッパから遅れており、それはもう変更不可能なのだという強固な意見を完全にひっくり返した。日本の進歩に較べれば、それまでのヨーロッパの進歩全体がとてものろいものであるかのように思われた。


そして日露戦争における日本の勝利。
ヨーロッパ列強国ロシアをアジアの新興国が破った世界史的な意義をこう描く。

The European invasion of Asia was coming to an end and the retraction of Europe's tentacles was beginning.(p295)

ヨーロッパのアジア侵略はようやく終わりを告げ、(タコのように世界中に伸ばされた)触手の後退が始まった。


この本の中で章を立てて扱われているアジアの国は、中国とインド、それに日本である。中国もインドも4大文明発祥の地であり、孔子と釈迦が出た国であるから、人類の歴史に大きな影響を与えた国であることは間違いない。しかし、日本もそうとう大きな役割をはたしてきた国であるらしい。自分が考えているよりも、もっと重要な位置を占めているらしいのだ。日本人が書いた歴史の本でそういうことを言われても、夜郎自大じゃなかろうかと思って、すぐには鵜呑みにできないようなところがあるけれども、ヨーロッパ人が書いた定評ある歴史の本でそういうことを言われているのを読むと、すぐ信用してしまうし、なんだか嬉しい。全世界を相手にドイツと組んで戦争まで行った国だから、歴史に名を刻んでいるのは間違いないけれども、こういう著名な人物(あのH.G.ウェルズ)から高い評価を与えられているのを見ると、あらためて日本のユニークさや価値を考えてしまう。(単純だな)

この本は日本人の自尊心をくすぐってくれるし、その部分がなくてもやたらと面白いから、ペンギンブックスの中で日本で一番よく読まれているのはこの本だということをどこかで聞いたことがあるけれども、それも納得できる気がする。
では日本語で読んだらもっとスラスラ読めて面白いんじゃないかと思って探したら、岩波新書から「世界史概観」上下巻として出ていました。飜訳は、長谷部文雄・阿部知二の両氏。長谷部氏は知らないけれども、阿部知二氏といえば、あの「白鯨」を訳した方。

本屋で立ち読みしたら、なんだか、これが読みにくい。1966年出版。いまから40年前。きちんとした飜訳だとは思うけれども、堅苦しくて小難しくて、面白くない。原文の生き生きとした躍動感が伝わってこない。これじゃあ読む気は起こらないなあ。自分が高校生だとして、本屋に行って、読んで面白そうな世界史のサブテキストとしてこの本を選ぶかといったら、選ばないだろうなあ。時代遅れのような感じ。教科書的な退屈さが漂っている気がしました。チラッと見ただけですが。
もったいない話です。新たな若々しい飜訳が待たれます。
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