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ゲド戦記

指輪物語、ナルニア国物語に続いて、ゲド戦記までが映画化されるようになるとは、昔から考えたら夢のような話である。きっかけになったのがハリー・ポッター・シリーズの爆発的な売れ行きと映画の大ヒットだと思うから、ハリー・ポッター・シリーズの作者J.K.ローリングにはファンタジーと映画好きは足を向けて寝られない。残るは指輪物語の前身となる「ホビットの冒険」だけなので、これもまたぜひ映画化してもらいたいものだ。

ged2.gif「ゲド戦記」はアーシュラ・K・ル=グウィンの代表作の一つ。スタジオ・ジブリがこの作品を映画化すると聞いたとき、それはまずいだろうと思った。ル=グウィンの作品はどちらかというとモノトーンの色調で、西欧中世の修道院的なイメージがあるので、カラフルなアニメは似つかわしくない。実写版で地味な映像でやるのがふさわしいのではないかと思っていた。

予告のポスターには少年とドラゴンが描かれていたので、きっとあの少年がゲドで、ストーリーは当然第一巻の「影との戦い」。「ゲド戦記」中の最大傑作であるこの作品を、宮崎駿監督といえどもうまく作品化できるんだろうか。同じく他から原作を持ってきた「パウルの動く城」はあんまりよくなかった。「魔女の宅急便」も確かそうだったと思うけどイマイチだった。監督が宮崎駿ではなくて息子の宮崎吾朗という人で、はじめての監督作品ということを聞いてますます不安になって、ぜがひでも見に行こうという気がおこらなかった。

で、ようやく見に行ってきました。
感想は、思ったよりもかなり良かった、です。

冒頭、魔法の世界の安定が失われつつあるという説明。
出てきた少年がアレン。
あれ、「影との戦い」ではないようだ。

しばらく物語が進み、船首に目玉のついた小舟に乗って、顔に傷のある男が登場。ああゲドだ。少年ではなく壮年だ。アークメイジになっているゲドだ。第3巻「さいはての島へ」が映画のベースになっているようだ。読んだのはずいぶん昔なので記憶が曖昧だが、原作とこの映画では、ストーリーがだいぶ違っているように思える。

それに壮年のゲド、菅原文太の声のゲドというのも、なんだか面食らうな。この本を読んだとき、まさか将来、ged3.gif菅原文太の声のゲドを見ることになるとは夢にも思っていなかった。長生きはしてみるもんだ。

やはりテルーの歌の場面は感動する。
ただ、あの場で聴いていたアレンよりも、ハイタカ(原書ではSparrowhawk)であるゲドにこそふさわしい歌だ。

アチュアンの墓、腕輪、ゴント島といったなつかしい名前がチラッと出てきて、原作のファンにとっては嬉しい。この映画は一般向けというよりも、自身もゲド戦記の大ファンである監督が、同じファンに向けて作った作品のように思える。かなりマニアック。

ということは、原作を読まずに映画をみた人にとっては、物語はかなり分かりずらかったのではなかろうか。アースシーの世界では事物の真の名前を知ることによって魔法が使うことができ、その魔法を使うことができるのは魔法使いとドラゴンだけで、世界のバランスが危機に瀕したことを悟ったドラゴンがテルーとなって現れたという設定は、うまく観客に伝わったのかどうか。

もし伝わってなかったとすると、映画が難解だからというよりも、単に作り方がまずかったからだろう。家族で見にいったけれども、あとで物語の背景をいろいろと説明しなければならなかった。その点ではこの映画はまだ稚拙である。宮崎ファンでありル=グイン・ファンである私は、期待以上の映画だったのでひたすら嬉しかったけれど。

ところで、公式サイトによると、ル=グウィンはたくさんあった映画化の話をずっと断っていて、その中には宮崎駿側からの打診もあったという。それが「千と千尋の神隠し」を見て、3年ほど前に逆にル=グウイン側から映画化を依頼してきたという。

たしかに彼女の作品にはオリエンタルな雰囲気があるので、宮崎駿映画との親和性が高いのかもしれない。しかも有名なフェミニストである彼女が、女性が活躍することの多い宮崎映画を悪く思うはずはないのではないか。彼女がナウシカを観てどう思うか、ぜひ聞いてみたいものだ。

と思っていたら、作者のこの映画に関するコメントを発見しました。

う~む。
ル=グウィンは「トトロ」と「千と千尋の神隠し」は見ているようです。そして非常に感動したようです。
ただ、映画「ゲド戦記」には満足していないようで、というか、ジブリのやり方に怒っている模様。映画の公式サイトの記述も、ル=グウィンの語る事実とはちょっと違う。

この様子からすると、ジブリとル=グウィンとの出会いはこの一作で終わりのようです。ま、ビジネスの世界では、宮崎親子とスタジオ・ジブリ側が一枚上手だったということのようです。映画の中では美と愛を追い求めるけれども、現実の世界ではなかなかそうは言っておれないということでしょう。宮崎側とル=グウィン側のどちらの肩を持つかと言われたら、それはル=グウィン側を持ちますけどね。ファンである期間も違うし。

ところで、ル=グウィンは菅原文太の声を気に入っているようです。
「温かく暗い声は、とくにすばらしいものです」
むむむ。なんとね。

公式サイト

右図は第1巻A Wizard of Earthsea(影との戦い)のRuth Robbinsによるイラスト。
下図は第3巻The Farthest Shore(さいはての島へ)のPauline Ellisonによる表紙と背表紙。

farthest_shore.jpg
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by ネタバレ映画館 on 2006/09/03 at 03:27:30

 父親に反対され、そのために親子の確執が生まれる・・・で、いきなり殺したのか。

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