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下流老人 一億総老後崩壊の衝撃

藤田 孝典
朝日新聞社
朝日新書
p221


悲惨な老後を送る貧困高齢者への支援活動を実際に行っている著者だけあって、実態を描いた第1章から第3章はリアリティと迫力がある。たしかに、老後の生活崩壊は、特殊な人に訪れる特別な事態ではなく、誰にでも起こりうる話である。他人ごとではない。われわれはそれを覚悟しておいた方が良い。

著者は、「社会システムと社会福祉制度の機能不全」が、このような下流老人を生み出す原因であるという。そのとおりだと思う。ではどうすればよいか。社会システムや社会福祉制度を変えればよい。それもそのとおり。

だが、問題は、社会システムや社会福祉制度をどう変えれば、下流老人の出現を食い止め、一人ひとりが幸せな老後生活を送ることができるのか、それを誰も知らないということだ。

なぜならば、われわれが迎える超高齢社会は、従来とはまったく異なる人口構造を持つ社会だからだ。この社会に適合する社会の仕組みは、当然のことながら、これまで誰も構築したことがない。これまでのさまざまな社会システム及びそれに関する議論は、所詮、労働者がたくさんいて、その余剰部分で老人を支えることが前提であって、圧倒的多数を高齢者が占めるようになった社会をどう維持していくかについては、だれも想定してこなかった。資本主義とか社会主義とか共産主義をめぐる議論も、基本的には従来型の人口構造の上に成り立ってきた議論にすぎない。

こういう根本的な視点を欠いたまま、従来型の社会システムの延長線上で貧困老人問題の解決を図ろうとしてもうまくいかないだろう。
著者の実践活動に深い敬意を表しつつも、問題解決に向けての提案がつまるところ「社会が悪い、国が悪い」ので「行政がなんとかすべきである」といった平板な主張にしか感じられないのは、その点の認識の欠如が一因ではないかと思う。




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