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正直な泥棒 ――無名氏の手記より――

ドストエフスキー
小沼文彦=訳
筑摩書房
ドストエフスキー全集第1巻
p447―465


ドストエフスキーの第8作。
1848年 27歳。

佳作。
酒で破滅した老人は、ドストエフスキーの作品の中で、たびたび出てくる。
この作品のイェメーリャは、その最初の出現である。(「貧しき人々」でも、そのマカール・ジェーヴシキンの酒飲み友達として出てくるが、まだここまで悲惨ではない)

酒によって頭と生活が破壊され、浮浪者同様の生活を送る人間。
今も昔も、都市では、そういう人間を多数みかける。
そういう存在であっても、人間であるという真実。
それをリアル描ける作家というのは、いったい、どこから、どういう視点で人間を見ているのだろうか。

ドストエフスキーというと、陰鬱で重厚な作家というイメージがあるが、非常な心優しさとナイーブさがなければ、こういう作品は書くことができないだろう。

ドストエフスキー全集 第1巻
このエントリーのタグ: ドストエフスキー
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