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地域包括ケアの展望 ~超高齢社会を生き抜くために~

宮島俊彦
社会保険研究所
p249


著者は、前・厚生労働省老健局長。
行政関係の人が書いた本は、各方面にさしさわりがないよう、持って回った言い方のものが多いという印象があるのだが、この本は、その点、明快である。

「地域包括ケアシステムとは、日常生活圏域におけるサービスの供給体制である。その場合、主要なサービスは、予防、介護、医療、生活支援、住いの5つからなっている。」(p15)

ふむふむ。
「地域包括ケアシステム」を巡っては、いろいろな議論があるようだが、要するに供給側、サービス提供側の話だということだ。
そのサービスをどうやって作っていくかという話。

「在宅医療は共助の社会保障システムを通じて提供される以上、普遍的なサービスとして提供されなければならない。かって、介護保険制度が導入されたとき「保険あって介護なし」というようなことが言われたが、今は「保険あって在宅医療なし」ということになる。従って、在宅医療の問題は、まだ、社会保障システムで提供されるべき普遍的なサービスにまで成長していないということである。」(p27)

こうはっきりと、「できていない」とは、役人の習性として、なかなか言えないものだと思う。
自助・互助・共助・公助をめぐる議論も、興味深い。

「虐待防止は、行政本来の仕事であり、民間の地域包括支援センターに委託して行うには限界がある。また、成年後見制度は、民法上の制度であり、障害者も含めた本人の法律上の権利の保障という介護保険とは別体系の仕組みである。こんなことまで、権利擁護の名のもとに、介護保険の地域支援事業で行うことでは中途半端になってしまうし、なぜ、保険料財源が投入されるかもわからない。……公助に属する事柄が、共助である介護保険の中に紛れ込んで、中途半端な対応でごまかされており、本来的な制度としての発展ができないでいる。」(p29)

凝縮した内容なので、すらすら読める本ではないが、地域包括ケアシステムをめぐる議論がコンパクトに網羅されており、啓発される点が多かった。
帯の推薦文に「知りたいこと、欲しいものがこの一冊にすべてある!」とあるが、けっして過剰なほめ言葉ではない。
良書である。

Amazonでは品切れになっているが、政府刊行物で注文できるようだ。
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