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不愉快な現実―中国の大国化、米国の戦略転換―(2/2)

米国と中国という強大な二国間で、日本がいずれにも従属することなく存続し、独自の繁栄を達成しようとすれば、考えられる選択肢は二つしかないと思う。

一つは米国・中国以上の経済的・軍事的大国になること、すくなくとも両国に匹敵する強国となること、それが非現実的な夢だとすれば、二つめは、米中と適切な距離をとりながら、相応の国際的実力と発言力を持つ先進国グループの一員としての地位を保持することである。
(米中との適切な距離といっても、日本は英・仏・独と同じく米国側に立つことは明らかだが、かといって米国追従ではなく、これら欧州の国々と同様、独自の判断で国の進路を決めていく)

そしてその実現のためには、EUやロシア、他のアジア諸国と戦略的な連携を深めていく必要がある。
反米や親中といったレッテルを貼っておけばすむといった単純な話ではなく、対立・競合するさまざまな国々(その中には当然米国も含まれる)の中で、自国の利益を追求していくという外交上の戦いを、おおむね正当な手段をもって、冷徹に勝ち抜いていく必要がある。

要するに、日本は日本の国の利益を最優先して動くべきであるというごく当たり前の話である。
本書の趣旨はそこにあると思う。

ただそれは、アメリカという腕力の強い国の庇護のもとでこれからも安楽に暮らし続けることができると思っている人々や、現実にそれでなにがしかの便益を得ている人々からの強い反発を招くのは避けがたい。

引きこもっていた方が、嫌な隣人と真正面からつきあわずに済むし、金もかからない。
いや、言われるままに金を払っておけば、厳しい決断を迫られずにすむかもしれない。

たしかにそれは楽かもしれない。ただ米国の方では、いつのまにか、粗野で化粧気もないくせに、最近妙に厚かましくなってきた金満の中年女に目移りしているようだが。

国家間の競争を勝ち抜くためには、冷静な現状分析と周到な戦略と合理的で迅速な意志決定と、その決定を着実に遂行できる能力が必要だが、著者の将来展望は悲観的である。

知的な真面目さよりも熱に浮かされた大言壮語が幅をきかせはじめた昨今の情勢を見れば、その見通しもむべなるかなである。


不愉快な現実―中国の大国化、米国の戦略転換―(1/2)
このエントリーのタグ: 中国 孫崎享
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