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不愉快な現実―中国の大国化、米国の戦略転換―(1/2)

孫崎 享
講談社
講談社現代新書
P274


本書の主要テーマは、サブタイトルにもあるように、「中国の大国化」と「米国の戦略転換」である。
それを踏まえ、今後の日本がとるべき戦略について書かれた本である。

明治維新から現在まで、西欧列強による植民地化やその後の動乱、共産主義革命や文化大革命などさまざまな要因によって、百五十年のあいだ日本の後塵を拝してきた中国が、近い将来、経済的・軍事的に世界のナンバーワンになるだろうという、日本人にとってはじつに「不愉快な現実」、そうした中国の台頭に対し、戦後日本の強力な後ろ盾であった米国が、意外なことに敵対するのではなく逆に手を結ぼうとしている、少なくとも日本よりもかの国を重視しようとしているという、もうひとつの「不愉快な現実」、こういう現実をわれわれは直視し、これまでのようにすべてを米国に委ねるのではなく、独自の国家戦略で進むべきであると説いている。

経済・軍事面で中国が米国を抜いてナンバーワンになるという説明は、ホントかなという気がするが、今後さらに強大化するのは間違いないだろう。そのうちバルブがはじけるさ、という人もいるが、かりにそうなったとしても、今後経済力・軍事力がゆっくりとではあれ上がっていくことはあっても、下がるとは考えにくい。
(ところで2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博後には中国バブルがはじけると言っていた人はいまどうしているのだろう)

米国のニュースを見たり聴いたりしている限りでは、かれらの主要な関心事が中国と中東にあるのは明らかだ。英国のBBCでも、米国やEUのニュースを除けば、取り上げるのはきまって中国と中東だ。

クロスロード・アジアはVOA(ヴォイス・オブ・アメリカ)という米国国営放送の番組で、毎日アジアのニュースを英語で放送しているが、中心は中国、続いてインド、韓国といった具合で、日本はほとんど取り上げられない(もちろん東日本大震災のときは連日トップニュースだった。最近では、年末の衆院選で自民党が勝利したときと、安部内閣が発足したときぐらい……安部総理の訪米がどう報じられたかは、ここ一月聴いていないので分からないが)。
取り上げられる場合でも、中国から見た日本といったスタンスで語られることが多い感じだ。

中国の強大化と、米国が必ずしも日本が期待するとおりには動かないだろうという現実を踏まえて、日本独自の道を探るべきであるという著者の主張は、しごくまっとうに思える。

ただ、賛同する人ばかりでないようだ。著者の姿勢が強硬な反米主義に映るところからも来ているのだろう。

しかし国家というものは、それぞれ自国の利益を最優先し、それを最大化するために行動するものだ。
この自明の原理に則って考えれば、米国の利益と日本の利益が相反することは当然起こりうる。
そしてそのとき、米国の方針と一線を画さざるを得ない事態も当然生じてくる。



不愉快な現実  中国の大国化、米国の戦略転換 (講談社現代新書)不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換 (講談社現代新書)
(2012/03/16)
孫崎 享

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このエントリーのタグ: 孫崎享 VOA 中国
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