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インテリジェンス人間論 (新潮文庫)

佐藤 優
新潮社
新潮文庫
p350

「自民党総務局長の職務は、世間一般にはあまり知られていないが、選挙における党の公認を決定し、選挙費用を分配、その他、自民党に敵対する政治家の信用失墜のための裏工作を計画、実行するなどの汚れ仕事を含む広範囲に及ぶ。」(p13 第一話 鈴木宗男の悲しみ)

のっけからおっかないことがサラリと書いてあるが、佐藤優氏の著作は、成熟した大人のための読み物という言い方がふさわしい。
現実の社会を深く経験してきた人しかわからない苦さと、そして愛情に満ちている。

「(イスラム原理主義、マルクス主義同様、)私が信じるキリスト教思想も、基本的には「人殺し」を正当化する論理を含んでいる。だから思想を扱うこと殺人は隣り合わせにある。このことを自覚していない思想家は無責任だと思う。」(あとがき p319-320)

「戦争を意識しないような思想は、偽物とはいえないとしても「思想の抜け殻」にすぎないのだと私は考えている」(あとがき p320)


こういうことを遠慮なく表明する著者の本が面白くないわけがない。
内容に必ずしも賛同するわけではないが。

あまりに軽々しく発せられるネット上の言葉の切れっ端にいつも曝されているので、こういう腰の重たい文章に出会うとホッとするわけである。


インテリジェンス人間論 (新潮文庫)インテリジェンス人間論 (新潮文庫)
(2010/10)
佐藤 優

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