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アラブ革命はなぜ起きたか 〔デモグラフィーとデモクラシー〕

エマニュエル・トッド
訳:石崎晴己
藤原書店
p188


「今日の世界は、経済という強迫観念に取り憑かれた世界で、経済がすべてを為すと考える、裏返しのマルクス主義者たちの世界です(私が念頭に置くのは、ネオ・リベラリストたちのことで、彼らは基本的に裏返しのマルクス主義者であって、しかもマルクス主義者より頭が良いわけではありません)。」(p29)
と語るエマニュエル・トッドが、人口統計学(デモグラフィー)のデータを基にイスラム世界の分析を行ったのが「文明の接近」。

本書は、同書の内容をめぐって制作されたテレビ・インタビュー番組を基にした対談本。

対談本だから読みやすい。字もあまり多くない。巻末にトッドに理論的基盤となる家族類型の要約もあり、トッドを知るための格好の入門書となっている。

それでも2,100円は高いので、本屋で立ち読みするか、図書館で借りて読むことをオススメ。

トッドの説を強引に要約すれば、女性の識字率が50%を超えると出生率の低下が起こり、それとともに社会の近代化が進む。それはキリスト教やイスラム教などの宗教の如何や、経済状況などとは関係なく進む。それを過去の歴史や世界各国の人口統計から示してみせる。

イスラム世界で今起こっていることは、イギリス革命、フランス革命、ロシア革命と同様のパラメーターの基で、起こるべくして起こった事象であり、西欧諸国が動乱から安定した社会に落ち着くまで数十年以上を要したように、今後イスラムでもさまざまな混乱や逸脱、宗教的専制や女性に対する厳しい抑圧のような近代化に逆行する現象が見られようとも、人口統計学的が示すところでは、避けがたく近代化の道を歩んでいる。

また同じ民主主義国家でも、フランス、イギリス、ドイツ、アメリカ、日本では、それぞれ異なった姿を取っているが、その違いは、基本的にその地域特有の家族類例が規定している。

一見すると唐突な感じがするトッドの理論は、不思議な説得力を持っており、アメリカ風の世界観に染まった頭をクリアにしてくれる。
それがトッドの魅力だ。


アラブ革命はなぜ起きたか 〔デモグラフィーとデモクラシー〕アラブ革命はなぜ起きたか 〔デモグラフィーとデモクラシー〕
(2011/09/16)
エマニュエル・トッド

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