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David Copperfield (3)

Charles Dickens
山本忠雄:注釈
研究社
p602


サマセット・モームは「世界の十大小説」 の中でマシュー・アーノルドの言葉を引用しながら、ディケンズの作品には第一級の詩人に要求される高度の真面目さが欠けているといっている。

私もたしかにそう感じる。

ただし、だからダメだというのではなく、シェイクスピアの「お気に召すままjを読むのと同じ精神をもって読むべきであって、そうすれば「お気に召すまま」とほぼ同様の心地よい楽しみを与えてくれると、あの有益で楽しい本の中でモームは語っている。

この小説は、たぶんそういう作品なのだろう。
暖かい暖炉の脇で、心地よい安楽椅子に腰掛け、ゆっくり味わいながら読むといいのかもしれない。
経済的も時間的にもある程度余裕のある、落ち着いた英国人のように。

だが私のようなせっかちで貧乏性の読者とは相性が悪い。
かったるいと感じてしまう。

ディケンズはいうまでもなく英国の国民的大作家である。
モームもオーウェルもディケンズが大好きである。
ただし日本であまり人気がない。

ディケンズの作品には英国人の琴線に強く触れるなにかがあるのだが、その部分が日本人にわからないからだと思う。
ディケンズだけではなく、国民作家と呼ばれるほど自国の読者の圧倒的支持を受けている作家は、どこでも同じことがいえるのかもしれない。
国民受けするコアのところは、他の文化に属する人間には感受不可能なのではないか。

ただし、そういったローカルな作家のローカルな作品といえども、その中に普遍的な真理が含まれるとき、文化や言語や民族の相違を越え、人類の共有の財産として、世界文学としての価値を持つようになる。

ディケンズのデビッド・コッパーフィールドは、英米文学史では欠くことのできない重要な作品とされ、世界の重要小説ベスト100といった企画では必ず上位に入っている。( 以前紹介した このリストは20世紀が対象なので入っていない)
英米人がひいき目で選ぶからそうなるだけであって、普遍的な価値となるとどうだろう。
ドストエフスキーやトルストイやトーマス・マンと肩を並べる世界的作家とするのは過大評価ではないか。
あくまで英国ローカルの人気作家にとどまるのではないかと思う。

まあ、こんなへ理屈を考えなくても、日本語で長編小説を読むなら、北方健三氏の諸作品の方が、はるかに楽しくエキサイティングであることは間違いありません。
今から読書の楽しみを得たいと思ってデビッド・コッパーフィールド読もうとする人がいたら、断然そちらをオススメします。
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