トップページ | 全エントリー一覧 | RSS購読

since2004.10.27

最近の記事

カテゴリー

RSSフィード

リンク

Search 

Ranking

ブログランキング・にほんブログ村へ

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
本・雑誌
53位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
洋書
4位
アクセスランキングを見る>>

Calendar

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

+ アーカイブ
 

カテゴリ:- Dostoyevskyのエントリー一覧

  • 地下室の手記

    ドストエフスキー江川 卓=訳新潮社新潮文庫p259「地下室の手記」を読むのはこれで6回目。そのうち3回が江川卓訳で、やはりこの人の訳がもっとも良い。日本語がしっかりしていて、しかもドストエフスキーの原文を(たぶん)精確に反映している。この人の文章は、とてもしっくりくるのだが、若い頃から読んでいて、私自身の文章もこの人の翻訳文に影響を受けているような気がする。前に、「ここに描かれたのは、写真でいえばネガの...

  • 地下室の記録

    ドストエフスキー亀山 郁夫=訳集英社p268筑摩版小沼文彦訳に較べると、亀山訳の主人公は、やや男性的な感じ。ただ、主人公は、もっとだらしなくみっともない、卑小な人物のはずなので、小沼訳の方が、本来のイメージに近いのではないかと思う。それから、亀山訳では、「まったく」を「ったく」と訳すなど、ウケを狙っているのか、妙な言葉遣いが違和感。こういう「新しい」コトバは、すぐに古びるし、作品の品格も落とすので、や...

  • クロコディール(鰐)

    ドストエフスキー小沼 文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第5巻p111-1461865年 44歳 第21作。ドストエフスキーほどの大作家になると、この程度の小品はさらっと書いてしまうのだろう。風刺風のコミカルな作品。というぐらいしか言いようがない、どうということのない作品。...

  • 地下生活者の手記

    ドストエフスキー小沼 文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第5巻p5-109光文社古典新訳文庫の安岡治子訳では、主人公は「俺」だったが、こちらは「私」。「私」の方が似合っている。主人公の徹底的な自虐ぶりは、現実にそんな人間が現れたとしたら、傍から見ていてかなり滑稽なはずだが、安岡訳ではそれがあまり感じられなかった。逆に、主人公の底にある生真面目さが、すこし強めに出ているような感じがする。こちらの訳では、...

  • 地下室の手記

    ドストエフスキー安岡 治子=訳光文社光文社古典新訳文庫p2851864年 43歳 第20作。いよいよ後期の傑作群の登場。最初は「地下室の手記」。「地下生活者の手記」とも訳される。最初に読んだのは高校のとき、二度目に読んだのは大学生の時で、いずれも新潮社の江川卓の訳。タイトルは「地下生活者の手記」だった。数十年ぶり、三度目を読んだ。例によってストーリーはあらかた忘れてしまっていたが、やっぱり面白い。ものすごく陰...

  • 冬に記す夏の印象

    ドストエフスキー小沼 文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第4巻p341-4181863年 42歳 第19作。前年に行った最初のヨーロッパ旅行の記録。といっても、観光した場所に関する記載はほとんどなく、パリとロンドンの人々の暮らしと思想に関するドストエフスキー独自の感想が、かなり乱雑に…走り書きといった感じで…述べてある。締め切りに追われて、やっつけ仕事的に書いたものだろうか。ふーんという感じで、特に感想もないが、...

  • いやな話

    ドストエフスキー小沼 文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第4巻p287-3391862年 41歳 第18作。シチュエーション・コメディーみたいな一作。初期のころの作品にも、こういうのがあったが、よりドストエフスキーらしくなっていて、読ませる。手慣れて来たというか、悪どさと心理描写が深まっている。大家の一筆書きといった感じ。...

  • 虐げられた人々

    ドストエフスキー小笠原 豊樹=訳新潮社新潮文庫p6861861年 40歳 第17作。前半は読むのが辛く、期間を置きながら、途切れ途切れしか読んでいないので、非常に時間がかかった。たぶん3カ月ぐらいかかったと思う。なぜ辛かったかといえば、単純に、話が面白くなかったからである。短編ならまだしも、長編小説で面白くなかったら、一気に読み通すことなどは、とても無理だ。ところが第二部の第6章、本書のp250あたりの、登場人物...

  • 死の家の記録

    ドストエフスキー望月 哲男=訳光文社光文社古典新約文庫p7411861年 40歳  第16作。死の家の記録は、ペトラシェフスキー事件に連座して、反逆罪に問われたドストエフスキーが、1850年1月から54年1月までの4年間を囚人として、頭を半分剃られ、足枷をつけられ、強盗殺人犯や詐欺師や窃盗、農民や貴族、イスラムの異民族から異端のキリスト教徒まで、雑多な人々とともにシベリアの流刑地で過ごしたときの様子を描いた作品。ときに...

  • スチェパンチコヴォ村とその住人 ――無名氏の手記から――

    ドストエフスキー小沼文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第2巻p297―511ドストエフスキーの第15作。1859年 38歳昔一度読んだことがあるはずだが、まったく記憶がない。おそらく、おもしろくなくて、読み飛ばしたのではなかろうか。今回も退屈のあまり、後半はすっとばした。ちっとも興味がわかない。「小さな英雄」「おじさんの夢」「スチェパンチコヴォ村とその住人」と、長くなればなるほど退屈度が増すというのは、読んでい...

  • おじさんの夢 ――モルダーソフ年代記より――

    ドストエフスキー小沼文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第3巻p5―136ドストエフスキーの第14作。1859年 38歳シベリア流刑後の文壇復帰作。前作「小さな英雄」を書いたのが逮捕された年の1849年。その後、シベリア送りとなり、刑期を終えたのが1854年。5年間、文筆活動は中断。刑期を終えた後、作家活動を開始する。最初の発表は、「小さな英雄」。これは未発表のままだったが、政治犯の出版が認められるようになった1857年にペ...

  • 小さな英雄 抜粋2

    ドストエフスキー小沼文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第2巻p261―296一方、マダム・Mの夫は、俗悪の塊として徹底的にやっつけられる。彼は頭の切れる人間と言われていた。ある種のサークルでは、他人の犠牲において私腹を肥やしたある特殊な人種を、そんなふうに呼んでいるようである。こうした特殊な人種はまるっきりなにもしない、それこそまるっきりなにもしようとはしないのだ。それで不断の怠惰となにもすることがない...

  • 小さな英雄 抜粋1

    ドストエフスキー小沼文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第2巻p261―296誰でも書けるといったけれども、さすがにそれは言い過ぎで、「小さな英雄」の中には素晴らしい部分がいくつかある。小説のヒロインであるマダム・Mを描いた箇所は、ここまでドストエフスキーが描いた中で、もっとも美しい女性描写。かれはどこかでこういう女性を知っていたのだろうか。その蒼ざめた、いくらか痩せ気味の顔、その顔に清らかで端正な顔立ち...

  • 小さな英雄 ――ある回想録から――

    ドストエフスキー小沼文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第2巻p261―296ドストエフスキーの第13作。1849年 28歳「ニェートチカ・ニェズヴァーノヴァ」がドストエフスキーの初期作品群の最後で、彼の20代も終わると書いたが、まだ本作があった。といっても、この年の4月にペトラシェフスキー事件に連座して逮捕されており、この作品は、ペトロパブロフスク要塞拘禁中に書かれた作品。売れっ子作家から一転して、獄中の人物になっ...

  • ニェートチカ・ニェズヴァーノヴァ

    ドストエフスキー小沼文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第2巻p99―259ドストエフスキーの第12作。1849年 28歳三部からなる未完の中編。中編といってもけっこう長い。他の作家だったら立派な長編といえるだろう。作者がペトラシェフスキー事件に連座して逮捕されたため、続きが書かれることはなかった。できばえはというと、あまりよろしくない。主人公ニェートチカの義理の父親で、才能あるヴァイオリニストの不遇な生涯を描い...

  • やさしい女 ―幻想的な物語―

    ドストエフスキー井桁貞義=訳講談社講談社文芸文庫p7―1001876年 ドストエフスキー55歳のときの作品。社会時評的な連載もの「作家の日記」の中で発表された作品。「未成年」を完成させ、「カラマーゾフの兄弟」に取りかかる前の作品ということで、巨匠がさっとひとなでしたような中編だが、内容は深く、重い。人間のどこに目を凝らしていたら、こういう、人間の根元や全体像を捉えたような作品ができるのだろうか。ところで、この...

  • 白夜 センチメンタルな小説(ある夢想家の思い出より)

    ドストエフスキー井桁貞義=訳講談社講談社文芸文庫p101―222ドストエフスキーの第11作。1848年 27歳。白夜のペテルブルグで繰り広げられる清新なロマンス。青年の恋愛は、こうでなくてはね。美しい中編。佳品です。25年ぐらい前に米川正夫訳で読んだ「白夜」は、冒頭が素晴らしかった。それに較べると、この講談社文芸文庫版は、イマイチのような気がする。たまたま手元に3つの訳があるので、較べてみた。(米川正夫=訳)素晴らし...

  • 他人の妻とベッドの下の夫

    ドストエフスキー小沼文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第2巻p3―46ドストエフスキーの第10作。1848年 27歳。元になった二つの小説を合体して、現在の形で発表されたのは、12年後の1860年。シチュエーションコメディで、結構面白い。ドストエフスキーは独白体の名手であるが、会話文も上手である。この作品は、とくにそれがうまくいっている。デビュー作「貧しき人々」が書簡のやりとりだけで構成された作品であったから、上手...

  • クリスマス・ツリーと婚礼

    ドストエフスキー小沼文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第1巻p467―475ドストエフスキーの第9作。1848年 27歳。短編。成功作といわれたそうだが、どうということはない作品。ドストエフスキーには、作品が短くなるほど、デキが悪くなるという法則があるようだ。長編が得意で、短編がへたくそというだけの話だが。これで、筑摩書房版「ドストエフスキー全集」第一巻が終わり。ドストエフスキー全集 第1巻...

  • 正直な泥棒 ――無名氏の手記より――

    ドストエフスキー小沼文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第1巻p447―465ドストエフスキーの第8作。1848年 27歳。佳作。酒で破滅した老人は、ドストエフスキーの作品の中で、たびたび出てくる。この作品のイェメーリャは、その最初の出現である。(「貧しき人々」でも、そのマカール・ジェーヴシキンの酒飲み友達として出てくるが、まだここまで悲惨ではない)酒によって頭と生活が破壊され、浮浪者同様の生活を送る人間。今も...

  • 弱気

    ドストエフスキー小沼文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第1巻p403―446ドストエフスキーの第7作。1848年 27歳。幸せな婚約に舞い上がった挙句、仕事が手につかず、仕事の締め切りのプレッシャーに押しつぶされてしまう気弱な若者の話。仕事が気になりつつ、ついつい脇道にそれてしまう主人公の言動は誰しも共感できるところ。逃避にしかすぎないのだが、仕事が重要であればあるほど、そうなってしまいがちである。それにして...

  • ボルズンコフ

    ドストエフスキー小沼文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第1巻p385―401第6作。1848年。27歳。ドストエフスキーの小役人シリーズ。短編。可もなし不可もなし。読んですぐ忘れる類の作品。ドストエフスキー全集 第1巻...

  • おかみさん

    ドストエフスキー小沼文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第1巻p315―384ドストエフスキーの第5作。1847年 26歳。デビュー作「貧しき人々」を激賞した当時の権威ある批評家ベリンスキーに、「自分たちはドストエフスキーが天才などととんだ自己欺瞞に陥っていたのだ」と言わしめた、「奇妙な作品」、「わけのわからない作品」(p488)。訳者もその意見に同感のようだが、そうは思えない。主人公は貧しくはあるが、遺産で細々と...

  • 九通の手紙からなる小説

    ドストエフスキー小沼文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第1巻p301―303第4作目。1847年。26歳。若い作家が乏しい社会経験を補って作家生活を続けていくためには、技巧的な小説、小説のための小説を目指すという方向性があるだろう。社会生活を描く方向性は取れないので――すでにネタはつきているし、あえて書いてもデビュー作の二番煎じにしかならない――あとは、幻想的・ロマン的な小説をめざすか、思想色の強い論文的な方向に...

  • プロハルチン氏

    ドストエフスキー小沼文彦=訳筑摩書房ドストエフスキー全集第1巻p269―299ドストエフスキーの第3作。1846年。25歳。短編だが、ゴタゴタしていて、なにを書きたいのかわからない作品。多人数が登場する場面は、状況をつかみずらい。当時は検閲制度があって、かなり削られてしまったと作者がこぼしているので、そのせいもあるだろう。ただ、世に出た作品としては、失敗作。デビューは華々しかったが、2作目「二重人格」の不評、3作...

  • 二重人格

    ドストエフスキー小沼 文彦=訳岩波書店岩波文庫p326ドストエフスキーの第2作目。1846年。作者25歳の時。内容からすると、「二重人格」よりも「分身」の方がぴったり。ドイツ語に直すとドッペルゲンガーだそうだし。ゴーゴリ風の文体で書かれた作品という訳者の説明だが、前半はとくにそうなのだろうが、後半になると、主人公のモノローグに近くなり、不安と葛藤と焦燥にかられて暗鬱なペテルブルグを彷徨う主人公ゴリャートキン...

  • 貧しき人々

    ドストエフスキー安岡 治子=訳光文社光文社古典新訳文庫p334ドストエフスキー25歳のときの処女作。一夜にして、その時代を代表する新進作家になったエピソードは有名。作品が完成するまでの焦燥にかられた日々の様子を書簡集か何かで読んだことがあるのだが、その中に、プーシキン(ツルゲーネフだったかもしれない)が処女作を完成させるまでに30回も書き直したことを引いて自分自身を叱咤激励するくだりがあるのだが、この作品...