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カテゴリ:- Hayama Yoshikiのエントリー一覧

  • 葉山嘉樹日記

    葉山嘉樹筑摩書房612p今年の年始年末の休みは、去年3月にパソコンが壊れたときに書いた葉山嘉樹集の感想文のアップに費やしました。結構な量になりました。誰も読まないと思うけれども。葉山嘉樹集の感想文を書いた後、この葉山嘉樹日記を読んで、感想文をいろいろ修正しようと思ったけれども、時間がなくなり、それはやらずじまいです。ただ、この日記は非常に面白かった。作者は、この日記を小説のネタの記録用に書いていたよう...

  • 葉山嘉樹集-27 ⑱開拓団に於ける生活

    ⑱開拓団に於ける生活1943年(昭和18) 49歳 作者が満州建国勤労奉仕班の班長として満州を慰問のため訪問した時の報告記事と思われる。思想改造を了えた作者の文章なので、味もそっけも内容もない。無意味な文章。この2年後、葉山自身が開拓団員となるために娘とともに満州に渡る。われわれはそれをいったい何者と考えればいいのだろう。本人にとっては、それは関わりのない感傷に過ぎないのだろうが。...

  • 葉山嘉樹集-26 ⑰子を護る(3)

    この作品は二月、戦争が始まる前に書かれた。当然、開戦の熱気はないが、社会的情況はほぼ同様だったと考えていいだろう。この作品をどう読むべきか。前年、作者が家族とともに移り住んだ長野県山口村についての印象はこうである。私は今まで多くの町々、村々を経て来たが、この山口村のやうな、純日本犬に見るやうな、又名利を超越した果てた、高僧の心境にも似た村を見るのは最初だった。(p422)この村に生まれた子等が、生まれ...

  • 葉山嘉樹集-25 ⑰子を護る(2)

    ジョージ・オーウェルはイギリスの社会民主主義者で、一時共産党に属したこともあり、出版する作品はいつも政府の検閲を受けて修正を余儀なくされていた作家であるが、そのかれもドイツとの戦争がはじまるやいなや、英国の一員として戦うためにあちこち奔走し、結果、BBCでアジア向け宣伝番組制作スタッフとして働いている。かれは敵を倒すためには非暴力を唱えるのではなく、銃をとって戦うべきだと考える男で、実際スペインの...

  • 葉山嘉樹集-24 ⑰子を護る(1)

    ⑰子を護る1941年(昭和16) 47歳 太平洋戦争がはじまった年である。真珠湾攻撃は12月3日であるが、12月9日に作者は大政翼賛会文部長の岸田国士に、「祖国の難に赴きたし。軍艦か御用船などに任務を与へられたし。返事待つ。」と電報を打っており、これをもって侵略戦争への加担の意思表明ととる人がいるかもしれないが、それはちょっと違うのではないかと思う。母国が戦争となれば、それまでの敵対関係をひとまず中断して、一致...

  • 葉山嘉樹集-23 ⑯還元記

    ⑯還元記1939年(昭和14) 45歳 貧しい中での鮎釣りの話。風流の世界。ほとんど仙人の世界に近くなっている。 とすると昔の中国の仙人の話も、背景には深刻な貧困の世界が広がっていたことに思い及ばないといけないのかもしれない。...

  • 葉山嘉樹集-22 ⑮流旅の人々

    ⑮流旅の人々1939年(昭和14) 45歳 ヨーロッパで第二次世界大戦が始まった年である。この作品に関する感想文はこちらに書いた。  流旅の人々 1/2 流旅の人々 2/2 主人公――作者――が飯場から東京の家族に送った一俵の米俵のエピソードが、家族の貧窮度を物語っている。そこも依然として、荒涼たる住居であった。出発した時と違ってゐるのは、台所に白米が一俵転がってゐる事だった。花田の送った白米だった。子供達は口々に...

  • 葉山嘉樹集-21 ⑭万福追想

    ⑭万福追想1938年(昭和13) 44歳 戦前の飯場を描くからには、そこには朝鮮半島からの労働者もたくさんいて、作品の中にも登場する。1910年の日韓併合以来日本の支配下にあったから、世間では一段下に見られていたことには間違いないが、かれの作品にはそういう表現は存在しない。逆に、よりポジティブな人物像として描かれているのは、作者の意図があってのことと思う。私は「朝鮮人」と云ふ言葉を使わないやうにしてゐた。無論...

  • 葉山嘉樹集-20 ⑬一寸待て

    ⑬一寸待て 1937年(昭和12) 43歳 同年の作。一家心中を試みようとした顛末をコミカルに描いた話と、林房雄と魯迅が登場する夢の話。林房雄についてはよく知らないが、政治的立場を左翼から変更した評論家だったと思う。林房雄のなにかをあてこすっているらしいが、よくわからない。...

  • 葉山嘉樹集-19 ⑫氷雨

    ⑫氷雨1937年(昭和12) 43歳 同年の作。「氷雨」については、以前若干触れたことがある。「氷雨」は作者の後期の代表作であり、心情小説の傑作である。釣竿をかかえて夕暮れの道を帰っていく父親と二人の子供の情景は忘れがたい印象を残す。ここに至ってもなお文章を書かざるをえない作者の作家としての業のようなものを感じる。...

  • 葉山嘉樹集-18 ⑪釣三昧

    ⑪釣三昧1937年(昭和12) 43歳 日中戦争が始まった年。反戦を訴える左翼グループが一斉検挙されるに至っては(人民戦線事件)、もはや釣りの話でも書いて糊口をしのぐしかない。生活はますます窮迫してきたようだが、この作品は妙に明るい。何も考えないようにしようという努力がうかがえる言葉がさりげなく書きこまれている。...

  • 葉山嘉樹集-17 ⑩文学的自伝

    文学的自伝 ―山中独語―1936年(昭和11) 42歳 葉山嘉樹は若いころから非常にモテる男だったようである。この本の巻末にあるあまり正確ではない年譜を見るかぎりでも、二三歳で結婚・離婚、その後二人の女性に四人の子供を産ませ(子供はいずれも死去)、三二歳で駆け落ちして三人の子をもうけている。少年時代から早熟で女性にだらしなかったと自伝にも書いているが、年をとっても女癖の悪さはあいかわらずで、作家の平林たい子...

  • 葉山嘉樹集-16 ⑨濁流

    ⑨濁流1936年(昭和11) 42歳 ④「海に生くる人々」や⑥「海底に眠るマドロスの夢」は階級闘争の物語であったが、同時に、海と闘う男たちの物語でもあった。⑧「山谿に生くる人々」⑨「濁流」は山崩れや川の氾濫を描くが、そこに出てくる男たちは、闘いを挑むというより、自然の災害に翻弄される人々であることは、この本の解説者である小田切秀夫のいうとおりである。(P493)作家が意図してそう書いたとは思えないが、時代の奔流に...

  • 葉山嘉樹集-15 ⑧山谿に生くる人々

    ⑧山谿に生くる人々 ―生きる為に―1934年(昭和9) 40歳 ⑦「今日様」の翌年の作品。作風は前作と同じだが、印象的なのは次の一節。 考へたり、思ったり、感じたりすることが、そもそも不必要な事なんだ。見ろ、ここは日本中で、一番昆虫の多い処だ、と云はれてゐる。昆虫は考へたり、思索したりはしない。だが、感じはするだらうなあ。ぢゃあよし、お前も感じっぱなしにしろ! 「痛いな」「あゝ草疲れた」「あゝ飲みたい」「...

  • 葉山嘉樹集-14 ⑦今日様(3)

    長々と引用したが、それは、中段の「そして俺は」以下だけでは、まるで中学生か高校生の感想文みたいで、あまりにも素朴すぎて唖然とするので、そうではなく、やはり文学史に残る一流の作家らしくいろいろ深く考えて書いている中の一部分だということを示したかったからなのだが、だが、やっぱり素朴すぎるというしかない。素朴というか、単純というか。四十にもなろうという作家が、左翼文学の代表選手であった作家が、いまさらそ...

  • 葉山嘉樹集-13 ⑦今日様(2)

    山村の初夏、五・一五事件の号外は、この山村にも、その翌日は報道された。山田は、その号外の内容と、農村の家庭争議との中間に挟ってゐた。――「俺は人類の理想と云ふことを考へてゐる。人間が必然的に踏んで行かねばならない、社会の歴史と云ふものを考へてゐる。人間が正しい方向に進む為には、俺の一身を犠牲にしても、厭はない、という決心を持ってゐる。だが、同時に、俺は、俺自身や俺の家族の事を、最も、身近に感じ、その...

  • 葉山嘉樹集-12 ⑦今日様(1)

    ⑦今日様1933年(昭和8) 39歳 ⑥「海底に眠るマドロスの夢」から五年後の作品。この間、世上では多くの出来事が起こっている。もはや声高に「労働者」「権利」「待遇改善」を叫んだりすることはもちろん、「自由」という言葉を口にすることすらはばかられる時代になっていた。作風は明らかに変わっている。舞台は海から山村になった。海上労働者の苦闘を描くのではなく、農村や飯場で働く人々の暮らしを描くようになった。左翼的...

  • 葉山嘉樹集-11 ⑥海底に眠るマドロスの夢

    ⑥海底に眠るマドロスの夢1928年(昭和3) 34歳 いくつかの魅力あるエピソードが語られる。それらがうまくつながっているとはいいがたいが、密度の高い作品となっており、前期の総決算というべき中編ではなかろうか。最後の難破の場面は、素晴らしい。嵐の海の描写で、これほど印象深いものは、これまで読んだ中でも少ない。...

  • 葉山嘉樹集-10 ⑤労働者の居ない船

    ⑤労働者の居ない船1926年(大正15) 32歳 多くの作家の処女長編と同様に、「海に生くる人々」は異様に力のこもった作品だが、それに較べると、肩の力が抜けた感じの中編。作家としての技量が上がり、手慣れてきた感じ。...

  • 葉山嘉樹集-9 ④海に生くる人々

    ④海に生くる人々1926年(大正15) 32歳 これはこちらのエントリ参照。 海に生くる人々(1/2) 海に生くる人々(2/2)...

  • 葉山嘉樹集-8 ③セメント樽の中の手紙 

    ③セメント樽の中の手紙1926年(大正15) 32歳 これはですね、いい話といってはなんですが、読んでおもしろいです。「労働者の悲惨な境遇を描いた描いた作品」だなんて解説がいかにも似合いそうで、たぶんそんな表面的な評価も実際あるんでしょうが、どうみても違いますね。作者は楽しんで書いてますね。最後の方の「恋人の着ていた福の切れ端をプレゼントします」なんて、悪趣味もいいところですが、わかってやってますよね。 労...

  • 葉山嘉樹集-7 ②淫売婦

    ②淫売婦1929年(大正14) 31歳 デビュー作。この作品が当時のプロレタリア文学界に衝撃を与えたのは分かる気がする。モダンだからだ。これも想像だが、当時のプロレタリア文学は、残酷な労働と陰鬱な生活を描いた暗く重たく深刻なものばかりで、行き場のない憤怒とともに打倒資本家階級! プロレタリア革命万歳! と絶叫して終わるという、こういってはなんだが、ひどくダサく泥臭いものばかりではなかったか。そこに外国航路...

  • 葉山嘉樹集-6 ①工場の窓より

    ①工場の窓より1929年(大正10) 27歳 推測だが、作品として発表されたものではなく、名古屋のセメント工場で働いていた時に書かれたアジテーション文のようである。...

  • 葉山嘉樹集-5 収録作品について

    本書には、プロレタリア文学に新紀元をもたらす作家として華々しくデビューした三十代前半の作品と、自省的になった四十代の作品が多く収められており、バリバリのプロレタリア作家として有名だった三十代の中後半の作品が意外と少ない。作品の質や量の問題かもしれないが、そこのところの編集方針はわからない。また、本書では、長編を前に、中短編を後に持ってくる構成になっているが、ここでは、先の年表を参照しながら、時代順...

  • 葉山嘉樹集-4 時代背景と収録作品(3)~開戦〜終戦~

    昭和編その2:戦争開始から終戦まで。作者40代前半から51歳で亡くなるまで。1939年(昭和14年)45歳 ・英仏・独が開戦。欧州で第二次世界大戦はじまる。  二男出生。 ⑮流旅の人々 ⑯還元記 1940年(昭和15) 46歳 ・第二次近衛文麿内閣(新体制運動・大東亜共栄圏提唱) ・日独伊三国軍事同盟 ・大政翼賛会発足 長野県に古屋を購入し移転 1941年(昭和16) 47歳 ・真珠湾攻撃。太平洋戦争はじまる。 大政翼賛会文化...

  • 葉山嘉樹集-3 時代背景と収録作品(2)~昭和初期〜開戦まで~

    昭和編その1:第二次世界大戦が始まるまで。作者30代前半から40代前半の頃。1927年(昭和2年)  33歳 ・金融競合・取りつけ騒ぎ 長男出生 1928年(昭和3)  34歳 ・第二次共産党一斉検挙 ・特別高等警察設置 ⑥海に眠るマドロスの夢 1929年(昭和4)  35歳 ・世界大恐慌 ・第三次共産党一斉検挙(非合法共産党壊滅) ・小林多喜二「蟹工船」発表 1930年(昭和5)  36歳 ・農業恐慌(米価下落により農村が壊滅...

  • 葉山嘉樹集-2 時代背景と収録作品(1)~大正時代~

    時代背景と収録作品を並べてみた。まずは、波乱に満ちた生活を送る一方で輝かしい作家デビューを果たす大正時代編。 1918年(大正7年) 24歳 ・第一次世界大戦終結 作者、福岡県京都郡豊津村(現みやこ町)で生まれ、早稲田大学文科を中退後、19~22歳を船員としてカルカッタ航路の貨物船、室蘭・横浜航路の石炭船で働く。その後学校事務員など。 23歳で結婚するが失敗に終わった。 1919年(大正8)  25歳 ・ヴェルサイユ...

  • 葉山嘉樹集-1 プロローグ

    筑摩書房筑摩現代文学大系36p494この本には葉山嘉樹の十八の作品が収められている。社会主義イデオロギーに基づく激しい抗議からスタートしたかれの作品と生涯は、太平洋戦争に向かって言論弾圧と思想統制を強めていく当時の社会情勢と切っても切り離せない。それはあたかも、この国が全体主義国家に変貌していく中で、どこまで小説としての表現が可能か、また、ものを書く以外に生きる才覚を持たない人間がどうやって生き延びてい...

  • 流旅の人々(2/2)

    葉山 嘉樹筑摩書房筑摩現代文学大系36p494「流浪の旅を、その誕生の第一日から踏み出し、そしてその死を、流浪の旅のある日に置く、これらの人々にとつては、幸福と云ふ事は、追究すべき重要な問題ではなかつた。 生きる、と云ふ事が重大な問題であつた。 そしてこの流旅の旅の途上に在る人々の、生きると云ふことは、唯生きる、と云ふ事の中に、どんなに多くの謙譲な感謝が充ち溢れてゐた事だらう。」(p173-174)「――この生活...

  • 流旅の人々(1/2)

    葉山 嘉樹筑摩書房筑摩現代文学大系36p494「流旅の人々」(1939年―昭和14)は、山奥の飯場を渡り歩く現場作業員とその家族を描いた落ち着いた印象の作品であるが、作者は疲弊している。作品も衰弱している。先立つ「氷雨」(1937年―昭和12)ほど表立って諦観があらわれてはいないが、同じ線上にある作品である。この衰弱はなぜだろうか。あの爆発しそうなエネルギーに溢れた「海に生くる人々」からわずか13年、この...

  • 海に生くる人々(2/2)

    葉山 嘉樹筑摩書房筑摩現代文学大系36p494さて、こうした欠点にもかかわらず、「海に生くる人々」は、十分読み応えのある魅力的な小説である。だがそれはこの小説が社会主義文学の記念碑的作品であるからというよりも、作者の物語精神が、そうした理論の足枷を吹き飛ばしているからだと思えるのだ。表現への欲求、物語ることへの欲求が、通俗道徳(マルクス主義的な)の下から吹き出している。「その夜は全く悪魔につかれた夜であ...

  • 海に生くる人々(1/2)

    葉山 嘉樹筑摩書房筑摩現代文学大系36p494「日本文学の長い歴史の上ではじめて革命的労働者の生活と闘争が高度な美的表現において描きだされた――これが一九二三年(大正一二)の葉山嘉樹の長編小説『海に行くる人々』である。」(p479)「日本文学がかつて表現したことのなかった、階級対立の現実の仮借ない追求と、労働者階級のなかからの新しい人間の誕生、その確かな存在を示す人間的な活気と能力と魅力、それと結びついた新し...

  • セメント樽の中の手紙 (角川文庫)

    葉山 嘉樹角川書店角川文庫p195小林多喜二と並ぶプロレタリアート文学の旗手、ということで読んでみた。小林多喜二よりも、モダンな感じがする。同じ福岡県出身ということもあって、夢野久作っぽいところもあるが、気のせいかもしれない(夢野は福岡市、葉山は京都郡)。短篇が8編収められているが、最後の「氷雨」が秀逸。小林にしても葉山にしても、共産主義革命家として国家の弾圧化での芸術活動は冗談事ではなく、小林多喜二...