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カテゴリ:- Japanese Literatureのエントリー一覧

  • 藤沢周平全集 第3巻 市井小説短篇(3)

    藤沢 周平文藝春秋藤沢周平全集第3巻p629昭和54年から平成2年にかけての短編、36編を収める。市井ものの短編はこの巻で終わり。そろそろ武家物の厳しい世界を読みたくなってきた。【収録作品】驟り雨、遅いしあわせ、泣かない女、贈り物、歳月、ちきしょう!、虹の空、運の尽き、おばさん、亭主の仲間、時雨みち、幼い声、夜の道、怠け者、盗み喰い、滴る汗、追われる男、おさんが呼ぶ、禍福、おとくの神、失踪、帰って来た女、...

  • 藤沢周平全集 第2巻 市井小説短篇(2)

    藤沢 周平文藝春秋藤沢周平全集第2巻p605昭和50年から53年の短編、30編を収める。風景描写というのは、背景や状況の説明に用いられる部分で、たいていの場合は退屈である。できればなくしてもらいたいぐらいのものなので、ふつうはさっと読んでしまう。すぐれた作者の場合は、そうはいかない。田舎の子供のころ、ふと感じた寂寥感を、これほど見事にあわらしてる文章は初めてだ。どうしてこんなことを覚えているのだろう。 川端...

  • 白き瓶 ~小説 長塚 節~

    藤沢 周平文藝春秋社文春文庫p612長塚節(たかし)といえば「土」。名前と作品名は、学校の教科書で習ったことがあるが、これまで関心を持ったこともなく、藤沢周平を読んでいなければ、まさか伝記を読むこともなかったはずの作家である。長塚節が正岡子規の弟子で、歌人であったということも本書を読んではじめて知った。作者が得意とする時代小説とちがって、あざやかなストーリーの展開はなく、綿密な資料の調査に基づき、や...

  • 藤沢周平全集 第6巻 士道小説短篇(3)

    藤沢 周平文藝春秋藤沢周平全集第6巻p573昭和48年から平成2年の作品から、比較的長い短編を18編。「決闘の辻 新刺客伝」は、宮本武蔵、柳生但馬守宗矩などの剣客を扱った短編集だが、老境の宮本武蔵を描いた「二天の窟」が面白い。【収録作品】玄鳥、三月の鮠、闇討ち、浦島、鷦鷯、又蔵の火、逆軍の旗、相模守は無害、二人の失踪人、上意改まる、幻にあらず、長門守の陰謀、振子の城、決闘の辻-新剣客伝(二天の窟 宮本武蔵...

  • 藤沢周平全集 第7巻  雲奔る 小説・雲井龍雄 / 回天の門

    藤沢 周平文藝春秋藤沢周平全集第7巻p589「雲奔る」「回天の門」は、それぞれ、東北の維新の志士、雲井龍雄、清河八郎の生涯を描いた小説。清河八郎は、維新の先駆けとして活躍した人物として司馬遼太郎かなにかで読んだことがあるが、雲井龍雄については、初めて知った。...

  • 一茶

    藤沢 周平文藝春秋文春文庫p390一茶の生涯を描く。江戸時代の俳人がどうやって生計を立てていたかを初めて知った。エキセントリックな面も興味深い。...

  • 藤沢周平全集 第5巻 士道小説短篇(2)

    藤沢 周平文藝春秋藤沢周平全集第5巻p570昭和51年から64年の作品23編。市井小説もいいが、やはり武家の小説の方が面白いと思うのは、それだけ武士の暮らしの制約が厳しいからだろうか。考えてみれば当時の武士というのは、幕府に仕えるのは国家公務員、藩の場合は地方公務員みたいなもの。あるいは、企業に勤めて、ルールにがんじがらめのサラリーマンを彷彿とさせる。浪人は、たしかに失業者というイメージだ。そういうところで...

  • 藤沢周平全集 第1巻 市井小説短篇(1)

    藤沢 周平文藝春秋藤沢周平全集第1巻p595デビュー作の「冥い海」ほか、昭和46年から50年に書かれた作品、21編を集める。たしかに暗い作品が多いが、「父と呼べ」のようなほろりとさせる作品もある。一作ごとの完成度と、発表のペースに驚かされる。【収録作品】溟い海、囮、賽子無宿、黒い縄、帰郷、恫喝、夜が軋む、割れた月、闇の梯子、父と呼べ、疑惑、密告、入墨、馬五郎焼身、旅の誘い、鬼、おふく、霜の朝、時雨のあと、...

  • よろずや平四郎活人剣(下)

    藤沢 周平文藝春秋文春文庫p494緩み具合といえば、友人(?)明石半太夫。詐欺漢まがいのこの人物の造形もさることながら、主人公とのつきあいぶりが、いかにも古き良き江戸の、人と人との関わりを彷彿とさせる――もちろんそれは創作された世界ではあるが、そういう緩さもありえたのだろうと思わせてくれる――もう一人の友人、朴訥な人柄の北見十蔵、そして主人公である神名平四郎、この三人の掛け合いぶりは目が離せない。といって...

  • よろずや平四郎活人剣(上)

    藤沢 周平文藝春秋文春文庫p463すべての作品を読んだわけではないが、「よろずや平四郎活人剣」は、藤沢周平の円熟期を代表する傑作ではないかと思う。緊迫感のあるきびきびした展開はいつもどおりだが、従来にまして、軽妙洒脱さが表にあらわれている。その絶妙な緩み具合がよい。...

  • 人間の檻 獄医立花登手控え(四)

    藤沢 周平講談社講談社文庫p366すべて読み終わってみて、感想を一言でいうと、さわやかな物語だった、ということ。小伝馬町の牢獄医師という主人公の設定の他に、4冊それぞれのタイトルに「檻」という単語が用いられているので、窮屈で真面目な話というイメージもあったのだが、そんなことはまったくなかった。なぜそういうタイトルにしたんでしょうね。手品のように次々に物語が生み出されていくさまは圧巻ともいってよく、中井...

  • 愛憎の檻 獄医立花登手控え(三)

    藤沢 周平講談社講談社文庫p321主人公が江戸時代の牢獄医という設定から、暗くて陰惨な話が中心だろうとイメージしていたが、読後感はカラッとして明るい。おもわずニヤッとするやりとりがたくさん出てくる。この設定から、こういう楽しい読物を創り出すのは、作者の力量というほかない。...

  • 風雪の檻 獄医立花登手控え(二)

    藤沢 周平講談社講談社文庫p303解説を読んだら、物語の主要な眼目がネタばれされていて、興覚め。しかもそれでもって作品を誉めたつもりになっている。こういうのって、サッカーの録画を見る前に結果を告げられるのと同様で、せっかくの楽しみがおじゃんである。物書きを生業とする人間が、その程度の最低限度のマナーをわきまえていないというのは噴飯もの。解説した女流作家はもう亡くなっていて文句の言いようもないのだが、版...

  • 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)

    藤沢 周平講談社講談社文庫p345主人公の立花登は、江戸小伝馬町の牢獄に勤める青年医師。柔術の達人でもある。居候先の叔父夫婦の一人娘おちえは、現代風のバカ娘。主人公とおちえの今後の展開に目が離せない。...

  • 藤沢周平全集 第4巻 士道小説短篇(1)

    藤沢 周平文藝春秋藤沢周平全集第4巻p557直木賞受賞作である「暗殺の年輪」ほか、昭和48年から50年にかけて書かれた以下の短編を治める。暗殺の年輪、ただ一撃、紅の記憶、証拠人、唆す、恐妻の剣、潮田伝五郎置文、密夫の顔、嚔、十四人目の男、桃の木の下で、臍曲がり新左、夜の城、冤罪、一顆の瓜、鱗雲、鬼気、竹光始末、果し合い、遠方より来る、乱心、雪明かり計22編。なかでも「臍曲がり新左」が傑作。シリアスな作品が多...

  • 蝉しぐれ

    藤沢 周平文藝春秋文春文庫p470藤沢周平は長編より短編、などと書いたが、すぐその誤りを見せつけられた。解説の中で文芸評論家の秋山駿氏はスタンダールの「赤と黒」を例に出しながら、本作の出だしの部分は、西欧的近代文学の正当な嫡子といった趣であると述べているが、出だしだけでなく、全体のがっちりした構成は、たしかに日本の時代小説というよりも、19世紀のヨーロッパ文学を思わせる。とくにフランス文学で、私はスタ...

  • 隠し剣秋風抄

    藤沢 周平文藝春秋文春文庫p384藤沢周平作品を読み始めたばかりの私が作品のことをあれこれいうのはまだ早いと思うのだが、これまで読んだだけでも、短編小説の名手であることはよくわかる。長編の方も、はじめから長編として書かれたものより、短編小説の連作として書かれたもののほうがずっと優れている。そして、この作者の短編小説の長さが、ちょうど良い長さなのである。通勤電車で、ちょうど一話だけ読めるの長さ。そして...

  • 隠し剣孤影抄

    藤沢 周平文藝春秋文春文庫p409著者の代表作のひとつである「隠し剣」シリーズ八作を収める。読みごたえのある短編が並ぶ。「剣客小説に新境地を開いた」と文庫本のカバーにあるが、たしかに著者の独壇場といった趣。...

  • 中野重治全集〈第五巻〉歌のわかれ 街あるき むらぎも

    中野重治全集第5巻筑摩書房p417美しい日本語を読みたいなと、ふと思って、そのときに思い出したのは、中野重治の文章である。(藤沢周平の作品を読んでそう思ったのではなく、その前の話。)それで、図書館から借りてきて、久々に読んでみた。「歌のわかれ」「街あるき」「むらぎも」の3作品は、いずれも著者の自伝的小説だという。そのうちの「むらぎも」は東京大学学生だった頃を描いた作品。作者らしい丁寧な描写が随所にみら...

  • たそがれ清兵衛

    藤沢 周平新潮社新潮文庫p379傑作短編集。なかでも表題の「たそがれ清兵衛」は、名品。その他の7編も、印象深い。...

  • 闇の傀儡師(下)

    藤沢 周平文藝春秋文春文庫p361後半は興味を失って、なんとなく読んでしまったので、話の細かいところは覚えていない。ただ、主人公源次郎と津留の交流は心温まるいい話だった。読みどころは、それだけだったような気もする。p...

  • 闇の傀儡師(上)

    藤沢 周平文藝春秋社文春文庫p341伝奇小説的要素を加えた長編小説。謎の人物たちによる会話の章をはさみながら、伝奇的な要素を含む波乱万丈のストーリーが展開する大型時代小説。ただし、こういうふうな叙述の仕方は、作者の手に余るようで、ぎごちなさが感じられる。伝奇小説のような結構の大きな話も、柄にあわないようだ。...

  • 消えた女 他 ~彫師伊之助捕物覚え~

    藤沢 周平文芸春秋藤沢周平全集11p659「彫師伊之助捕物覚え」三部作となる「消えた女」「」漆黒の霧の中で」「ささやく河」。昨日と今日の2日でまとめて読んだ。昨日「凶刃」を読んでいるので、2日で4作を読んだことになる。藤沢周平の作品の読み方としては、非常にもったいない読み方をしてしまった。この作家の文章は、日本酒をチビチビと嘗めるように、もっとゆっくり読むべきである。...

  • 凶刃 ~用心棒日月抄~

    藤沢 周平新潮社新潮文庫p44116年後の青木又八郎と、これまでの登場人物の姿が描かれている。かつての用心棒仲間だった浪人細谷源太夫や、口入れ屋の相模屋吉蔵など、本当にそうなるだろうなという姿に描かれている。細谷源太夫の妻の結末は意外だったが、しかし、そうなって全然おかしくはない。現実の社会というものはそういうものだろう。その一方で、エンディングの場面の、あの心憎い思いやり。厳しいような温かいような、...

  • 刺客 ~用心棒日月抄~

    藤沢 周平新潮社新潮文庫p407相変わらず主人公青木又八郎は人を斬りまくる。この人には、人を殺したことに対する自責の念はないのだろうか。などど、あまり関係ないことを考えながら読んだ。あいかわらず面白い。...

  • 孤剣 ~用心棒日月抄~

    藤沢 周平新潮社新潮文庫p462用心棒日月抄シリーズ第2弾。面白い。途中で止めるのが難しい。しかし主人公は、すこし人を斬りすぎではなかろうか。...

  • 用心棒日月抄

    藤沢 周平新潮社新潮文庫p511藤沢周平の作品は、映画「たそがれ清兵衛」(2002年 出演:真田広之、宮沢りえ)、「隠し剣 鬼の爪」(2004年 出演:永瀬正敏、松たか子)、「武士の一分」(2006年 主演:木村拓哉、檀れい)で観たことがあったが、小説を読むのは初めて。時代小説を読むのは、隆慶一郎がほぼ初めてだった、読むべき本が山ほどありそうだ。...

  • 海を見ていたジョニー 他

    五木 寛之講談社五木寛之小説全集2p336表題作ほか、7つの短編を収録。「さらばモスクワ愚連隊」による鮮烈なデビューを飾った後の作品群。デビュー作発表と同じ昭和42年に、中間小説雑誌に発表されたもの。主人公として登場してくるのはテレビ関係者が多く、きっと当時は、気鋭の新進作家が描く、時代の最先端を舞台にした社会派の傑作短編小説、とでも紹介されたのだろうと思うが、全集第一巻の作品群が持っていた新鮮な叙情味...

  • かくれさと苦界行 他

    隆 慶一郎新潮社隆慶一郎全集7p462デビュー作「吉原御免状」の翌年に発表された続編。最後がちょっと急ぎすぎのような気がした。吉原を舞台にした短編「張りの吉原」も収録。...

  • 一夢庵風流記

    隆 慶一郎新潮社新潮文庫p664前田慶次郎の活躍を描く時代小説。「北斗の拳」で有名な原哲夫の「花の慶次」の元さうとしても有名。捨丸、骨、金悟洞といった、最初は主人公慶次郎の命を狙うものの、その魅力に負けて、いつのまにか付き従うことになるサブキャラクターたちが秀逸。...

  • 吉原御免状

    隆 慶一郎新潮社隆慶一郎全集1p428これがデビュー作とはすごいねえ。一気に読ませる。続編の「かくれさと苦界行」が早く読みたい。...

  • ドグラマグラ

    夢野 久作筑摩書房ちくま文庫夢野久作全集9p669福岡の誇る作家、夢野久作の代表作。完成までに20年費やしたというだけあって、構想の緻密壮大さ、自在に変化する文体の絢爛豪華さ、縦横無尽の饒舌ぶりと膨大な知識量、予断を許さないストーリーの奇怪な屈折ぶりなど、どれひとつとっても傑作、あるいは怪作の名にふさわしい。舞台は明治後半の福岡市。ところどころ出てくる福岡市の地名がまた懐かしい。数十年ぶりに二度目を読む...

  • 影武者徳川家康 (下)

    隆慶一郎新潮社新潮文庫p535現実社会の中では、うまくいく筈がないとか、こんなことをやっている場合ではないとわかっていても、仕事としてやらなければならないという状況はいつでもある。先が見えない人々の中で、将来このままではダメになるとわかっていながら、自分のできる範囲内で、最大限努力し、事態の変化を待つということはいくらでもある。いや、そういう場合の方が大部分だろう。本書の主人公である徳川家康の影武者...

  • 影武者徳川家康 (中)

    隆慶一郎新潮社新潮文庫p5642巻目に入って登用人物がほぼ出そろい、物語も落ち着いてきた。とはいうものの、次々に新しい事態が出現。主人公二郎三郎は息つく暇もない。関ケ原以降の徳川家康が実は影武者だったという突拍子もない物語を、じつはこっちのほうが事実でははなかったかと思わせる作者のリアリティの再現力がものすごい。...

  • 影武者徳川家康 (上)

    隆 慶一郎新潮社新潮文庫p544著者の名前とこの本の噂は、発表当時から聞いていた。面白いとは聞いていたが、文句なしに面白い。先の展開がまったく読めない。こういう本は久しぶりだ。...

  • 蒼ざめた馬を見よ 他

    五木 寛之講談社五木寛之小説全集1P353この前読んだ文庫本に収められた作品のほかに、「蒼ざめた馬を見よ」「弔いのバラード」「赤い広場の女」が収録されている。この小説全集は、装丁が黒一色の小型サイズで、天金を施したなかなかオシャレなつくりだ。直木賞受賞作となった「蒼ざめた馬を見よ」はもちろん出色のでき。導入部でたちまち読者をその世界に引き込んでしまう。この作者のつかみは非常に強力で、大流行作家となった...

  • さらば モスクワ愚連隊

    五木 寛之新潮社新潮文庫p265五木寛之という作家の本は読んだことがなかった。上の世代に非常に人気のあった流行作家なので、通俗的で面白くないだろうと思っていた。「さらば モスクワ愚連隊」今読むと、これは傑作。導入部から読み手を引き込み、捉まえて離さず、鮮やかで感動的な展開。忘れ難い印象を残す。「GIブルース」「白夜のオルフェ」「霧のカレリア」すでに作者のスタイルが明確に確立されている。ワンパターンな気...

  • 夜明け前 第二部(下)

    島崎 藤村新潮社新潮文庫p473重厚で、漢字も多く、かなりの長編ということもあって、なかなか読む気が起こらなかったが、読み始めてみると、スラスラ読むことができた。題材の面白さや、落ち着いた文章――派手さを抑え、実質のある過不足ない文書で、長編にぴったり――のおかげもあるが、なによりも、文の中に込められたリズムが良いからだと思う。島崎藤村は詩人から出発した人だから、当然である。長編のどこを取ってきてもいい...

  • 夜明け前 第二部(上)

    島崎 藤村新潮社新潮文庫p402第一部は、主人公の言動が7割、歴史的背景が3割ぐらいだったが、第二部は逆転。政治情勢や、世情の変動についての説明が詳しい。もちろんそうしてもらわないと、こちらは状況がわからないし、そうした部分も、かなり興味深い。版籍奉還から廃藩置県といった大きな制度の変転のもとで、主人公たちに直接かかわる庄屋や宿場の制度も急激に改められていく。暮らしの変化の中で、闇を透かして見ても、時...

  • 夜明け前 第一部(下)

    島崎 藤村新潮社新潮文庫p408「夜明け前」は、黒船が到来した幕末から明治維新まで、木曾路の庄屋兼宿の主を主人公として、時代の移り変わりを描いた歴史作品である。江戸と京都の中間に位置する木曾を舞台にした時点で、勝負は決まったようなものだ。江戸から京都へ、京都から江戸へ、そこを訪れる武士たちの様子によって、激しい時代の変遷をうかがい知ることができる。見事な着想だが、しかもそれが島崎藤村の父がモデルだと...

  • 夜明け前 第一部(上)

    島崎 藤村新潮社新潮文庫p462いうまでもなく島崎藤村の代表作。日本文学史の中でも必ず触れられている有名な作品。それだけに、読むのがなんとなく億劫だったが、読み始めると、意外に面白い。傑作作品や有名な作品というのは、えてしてこんなもので、そういう評判をとるだけのことはあるのだ。詩人として有名な島崎藤村の小説を読むのはたぶんはじめて。堅牢で見事な日本語による重厚な作品。...

  • 神州纐纈城

    国枝 史郎河出書房新社河出文庫p455「しんしゅうこうけつじょう」と読む。伝奇小説の傑作中の傑作といわれる本書。確かに、予想のつかない展開。強烈な幻想力。見事な文章。期待にたがわない作品。こうしたご馳走は、高級なフランス料理を食べるときみたいに、味わいながらゆっくり読んでいくべき。だが、なんとな気がせいていて、カップ麺を食べるみたいに、ざっと読んでしまった。解説の三島由紀夫が誉めていた洞窟のシーンも...

  • 英雄三国志 六 夢の終焉

    柴田 錬三郎集英社集英社文庫p518諸葛亮亡き後の姜維の戦いを描く。魏呉ともに後継者が次々に変わり、政権をめぐって争いが続くが、あまり面白くない。三国志はやはり、劉備・関羽・張飛や曹操が亡くなるまで、あるいは諸葛亮が五丈原に没するまでの物語だな。淡々と読み進めて、終わってしまった。読者に途中で投げ出さなせないだけの面白さを備えているのは、やはり作者の力量によるものだ。...

  • 英雄三国志 五 攻防五丈原

    柴田 錬三郎集英社集英社文庫p462諸葛亮と司馬懿仲達の戦い。作者が描く孔明は万能の天才で、しかも妖術まで使うものだから、まったくの無敵。コーエーの三国志でいえば、知力150ぐらいあるのではないかというぐらいなので、それはちょっとどうかと思うのだが、その孔明もやはり病気には勝てない。五丈原に没するまでを描く。...

  • 英雄三国志 四 出師の表

    柴田 錬三郎集英社集英社文庫p552この「英雄三国志」全六冊は、「柴錬三国志 英雄ここにあり」三巻と、その続編の「柴錬三国志 英雄・生きるべきか死すべきか」三巻をまとめたもの。三冊目の最後、「出師の表」まででいったん物語は終わるのだが、好評だったこともあるのだろう。今度は孔明を主人公に、少し遡った時代から再開される。諸葛亮による南方遠征を経て、馬謖を斬るところまで。作者は、三国志の英雄の中で、諸葛亮を...

  • 英雄三国志 三 三国鼎立

    柴田 錬三郎集英社集英社文庫p618赤壁の戦いから、関羽、張飛、劉備の死を経て、諸葛亮による出師の表まで。表紙イラストは、劉備。どの三国志でも、劉備の凡庸さがきわだっていて、なぜこんな人物が三国志の主人公なんだろうと思ってしまうのは、誰しも同じだろう。柴田錬三郎の英雄三国志でもそうで、重要なポイントポイントで諸葛亮の足を引っ張ってばかりいる。いい加減、愛想を尽かして逃げ出したほうがいいんじゃないかと...

  • 英雄三国志 二 覇者の命運

    柴田 錬三郎集英社集英社文庫p688呂布、袁術、曹操、劉備らによる目まぐるしい小沛・下邳争奪戦から、官渡の戦いを経て、赤壁前夜まで。このシリーズ、福田隆義氏による表紙のイラストが素晴らしい。第一巻は、関羽。この第二巻は、曹操。...

  • 英雄三国志 一 義軍立つ

    柴田 錬三郎集英社集英社文庫p668数ある三国志作家の中に、柴田錬三郎の名は必ず出てくる。久しぶりに、新たな作者の三国志を読んでみることにした。第一巻目。600ページ以上ある分厚さが嬉しい。しかも全部で6冊もあることを、読み始めてから気がついた。これは楽しみ。「蒼天航路」の少年時代の孔明の扱い方は、この本からヒントを得ていたと思われる。...

  • 海音寺 潮五郎

    海音寺 潮五郎筑摩書房ちきま日本文学全集48p477楊令伝後半のパサパサぶりを読んだ後なので、本書の各作品の文学的な充実度にほっとした。海音寺潮五郎は、名前からして堅苦しくて古臭い歴史作家と思っていたが、そんなことはなく、面白かった。昭和の時代に書かれた本格的な小説という感じ。どこか懐かしいところがある。新たな作家を発見できた。...

  • 楊令伝15 天穹の章

    北方 謙三集英社集英社文庫p388たしかに、あれだけ強い主人公だから、こういう終わらせ方しかできないだろうなあ。しかし、疲れた。後半の内容は、マンネリ気味。「岳飛伝」に続くのだが、読むかどうかはわからない。...